Q.先生が美容医療をはじめた頃の日本は、まだまだ遅れていた時代だったと思います。美容に着目したのは、どのような背景からですか？

基本的な医学やストレスケアを活用した美容医療の研究がとにかく楽しかったのです。当時は、アジアよりも欧米の方が技術が進んでいることから、迷うことなく欧米で美容医療を学ぼうと思いました。

Q.ご苦労などもあったのではないですか？

親の教育方針でもあり、いつも相手の文化や言葉に合わせるという習性が自然と身についていたんですね。異文化コミュニケーションという感覚もなく、苦労というより、むしろ楽しいことの方が多かったですよ。しいて言えば、私が研究している分野や美容医療に対する考えに賛同してくれるドクター達とめぐりあうために、何カ国も訪問したということが大変だったことくらいでしょうか。でも、そこで出会えた各国のドクターとは今でも交流していますし、国際的な学会にも積極的に赴いています。皆さん、それぞれの国で活躍している凄腕ドクターばかりです。

Q.アジアでいち早くメソセラピーを取り入れた先生。ダイエットといっても、実に幅広いメニューがあることに驚いてしまうのですが…

男女問わず年齢も問わず、ダイエットに関する悩みを抱えている人は多いです。同時に、人によって原因も違います。カロリー制限や運動だけでは、なかなか満足のいく結果を得られない場合もあります。ストレスの多い現代社会は、痩せにくい身体になりやすいと言われているだけに、脳にはたらきかけるケアなども治療のひとつとして取り入れています。

皮下脂肪を溶かすメソセラピーを中心に、内蔵脂肪を燃やすメニュー、脳にはたらきかけるブレインサプリメント・シリーズ、肌トラブルや人間関係の悩みなどによるストレスケア、代謝を高めるメニューなど、いろいろな角度から科学的にアプローチする治療法を多数揃えています。患者さんひとりひとりにマッチした、リバウンドのない治療をご提案していきたいと思っています。

Q.他にも、先生のクリニックでは“塗るメソセラピー”というのもありますよね？ 詳しく教えてください。

効果が早いのは注射ですが、注射そのものにストレスを感じている人がいらっしゃるのも事実です。注射の痛みが怖いという方に、ストレスなく手軽に受けていただけるように開発したのが塗るメソセラピーです。「経皮膚吸収システム」という私の研究テーマのひとつで、トロント大学の学者達と一緒に開設した研究所にて開発した独自の特殊技法です。皮膚から有効成分を患部へダイレクトに到達させる方法で、メソセラピー・カクテルを塗るだけなので痛みがないことが大きな特長です。部位や実際の脂肪量によって異なりますが、顔ならばホームケアとしても使える専用ジェルも販売しています。また、注射による本来のメソセラピーと塗るメソセラピーのセットでより高い効果を期待できます。

Q.ズバリ！ ダイエットを成功させるための秘訣とは何でしょうか？

必ずスケジュールをたてること。それと、急がないことの2点が重要です。自己流のダイエットは、まず成功しないケースが多いですね。また、情報社会の現代は有効的な情報の宝庫です。クリニックへ通う場合は、事前にクリニックの情報や評判などをチェックしておいた方がいいですね。科学者の視点をもったドクターかどうか？ というのもポイントです。科学者であり臨床家の指導を受けることで、ダイエットの成功率がぐんと高くなります。それから、ご自身が思い描いていることをカウンセリングできちんと理解してもらっているか？ も大切ですよ。

Q.先生ご自身が、日頃からやっているダイエット法や健康法を教えてください。

毎朝4〜5キロ歩いています。歩きながら1日のスケジュールを確認し、来週・1年後・10年後…と前向きなことを考えながら未来に向かって歩きます。また、美味しいものを食べることが大好きです。和食全般、特に豆腐料理や海鮮ものが好きなのですが、最近はおでんにハマっています（笑）

Q.現場で心がけていることやこだわりを教えてください。

治療のプロセスを終えた時に、患者さんから「ありがとう」と言っていただけるような医療を心がけています。そのためにも、キャンペーンやトライアルなどでお気軽に施術を受けていただけたり、来院しやすいきっかけ作りも行っていきたいと思っています。そして、何に悩んでいるのか？ からはじまり、患者さんの置かれている状況など深い部分もしっかり把握したうえで、その人に合った治療方法をご提案したいと思っています。

Q.これからの美容医療をどうしていきたいと思われますか？ また、先生の夢や目標などもお願いします。

今の美容医療の技術レベルは、すでに相当高い内容になっています。これからは、この高い技術をどう応用していくかが必要でしょうね。再生医療や細胞レベルでの美容医療は、今後ますますニーズが高まるでしょう。基礎医学や科学的なアプローチなど、あらゆる視点から皆さんの抱えている悩みを解消していけたらと願っています。私自身は、これからも世界各国のドクターと情報共有や協力をしながら、もっともっとレベルアップしていきたいですね。また、私のライフワークになっているのがボランティア活動。国外国内問わず、心のサービスを今後も積極的にやっていきたいと思っています。