コラーゲンの低下と水分不足がたるみを呼ぶ
肌がたるんでくるそもそもの原因は、肌そのものの基礎体力が落ちるから。そのカギを大きく担っているのが、真皮層にあるコラーゲンとエラスチン。私たちの肌は、コラーゲンとエラスチンの線維が規則正しく並んでいて、その間を埋めるようにヒアルロン酸をはじめとするムコ多糖類で満たし、肌の弾力性や柔軟性を保っています。それが、年齢を重ねるごとにクッション役のコラーゲンが細くなったり、エラスチンの再生ができなくなることで、肌を支えるバネ自体が弱くなってしまいます。また、紫外線などの影響でコラーゲンは変性して減少したり、切断されたりと、ますます肌は弾力を失う状態に。

また、肌の水分を抱えているヒアルロン酸も年齢とともに減少してしまうため、肌そのものの水分量も減ってしまいます。肌の乾燥が老化を早めるといいますが、真皮層がスカスカのままでは、元気な細胞も生まれず弱々しい状態に。肌は、ますます重力に耐えられなくなっていきます。その現象がたるみです。たるみ対策を行うには、十分な水分補給と栄養の補給、さらには血行を高め身体の代謝そのものを高める必要があります。デイリーのスキンケアで、十分な水分で内側から満たしてあげることと同時に、皮膚や細胞の免疫力をつけるために、ビタミンAやビタミンEを豊富に含んだ食べ物などを積極的に摂っていくことが大事です。

■ビタミンAを多く含んでいる食材
かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、小松菜、春菊、レバー、うなぎ等

■ビタミンEを多く含んでいる食材
ほうれん草、アボカド、モロヘイヤ、まぐろの赤身、ナッツ類、植物油等

表情筋のストレッチとマッサージ効果でハリをアップ
たるみ対策といえば、もうひとつ。顔の表情をつくるための筋肉は40数個もあるといわれています。この表情筋とたるみの関係は、切っても切り離せない関係。身体の筋肉と同じように、表情筋も日々使っていないと衰えていってしまいます。表情筋を意識的にストレッチしていくことで、肌の代謝や血行も高まり、ハリやツヤを導いてくれます。両頬の下にある頬筋（きょうきん）や口輪筋は、頬のたるみに。唇の下からあごに伸びる筋肉のオトガイ筋は、二重アゴの防止に効果的です。アゴは、思っている以上に脂肪が多い部分ですから、この筋肉の衰えでアゴの脂肪を支えきれなくなることで二重アゴになりやすくなります。

また、顔のマッサージも効果的です。顔の中心から外側に向かって、下から上へと肌を持ち上げるようにやさしくマッサージをしていきましょう。その際は、マッサージ専用のクリームなどをたっぷり塗り、肌を引っ張ったり擦らないように十分注意をしてください。指先の力を入れずに、クルクルと指を滑らせていくだけで、血行やリンパの流れが高まったり、肌の代謝にもプラス効果になります。顔のフェイスニングやマッサージは、空いた時間を利用して手軽にできるたるみケアのひとつです。たるみをそのままにしていたらシワの元。たるみサインが気になりはじめたら、意識的に取り入れるようにしましょう。

バリエーションも豊かな切らないリフトアップ法
「わかっていても時間がかかるのはイヤ！ もっとスピーティーにこのたるみを何とかしたい！ 」そう思っている人には、クリニックの出番。クリニックで行っている施術には、エイジング対策に関して幅広い選択肢が数多く揃っています。ヒアルロン酸を注入して、肌をふっくらとさせる方法。高周波を当てて、たるみと共にシワも解消してくれる高周波治療は、効果も持続性も高く、真皮層のコラーゲン生成にもプラス効果があるといわれています。

最近では、金の糸やハッピーリフトなど、単語を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか？ 特殊な糸をたるみが気になる箇所に埋め込み、肌を引き上げたい方向へマッサージしていく施術です。また、自分の血液を使って、たるみが気になる部分に注入するという再生医療技術も、美容の分野で活用されるようになりました。これまで、切らなくてはいけなかったたるみ治療も、このように“切らないリフトアップ法”が主流になってきています。たるみの進行具合や、施術の好み、将来に向けての計画など、あらゆる方向から自分に一番合うと思う施術を選んでみるのもひとつの方法です。わからないことや不安に思っていることなどは、クリニックでのカウンセリングで相談してくださいね。