どうして多汗症になるの?
ワキの下はもともと汗腺が多く、汗をかきやすい部位ですが、下記のような原因が加わることで、多汗症を発症することがあります。
■ 緊張やストレス
緊張やストレスを感じると、交感神経が優位になり、汗腺の働きが活発になります。そのため、多汗症になりやすくなります。
■ 病気
代謝異常や内分泌異常、循環器や中枢神経の病気を患うと、多汗症になることがあります。
■ ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れると、交感神経が優位になりやすく、多汗症になる可能性があります。生理や妊娠、更年期が影響することも。
■ 食生活の乱れ
辛いものや熱いものを食べたときに過剰に汗をかくケースがあります。肥満の人は多汗症になりやすいので、バランスのとれた食生活を意識して。
なぜ、汗をかくと
ニオイが気になるの?
ワキ汗を大量にかくと、気になるのがニオイ。多汗症の汗は、体温調節を担うエクリン汗腺から出る汗で、そのものにはほとんどニオイはありません。しかしニオイを発するアポクリン汗腺からの汗と、細菌や皮脂が混ざり合い、それをエクリン汗腺から出た大量の汗が広範囲に広げてしまうため、ニオイが発生してしまうのです。
医療機関で
多汗症を治療しよう
多汗症は疾患なので、医療機関で治療することができます。治療方法は重症度に応じてさまざま。まずは医師に相談してみることから始めましょう。
■ 塗り薬
塩化アルミニウム配合の薬をワキの下に塗ります。毎日塗り続けることで、徐々に効果があらわれてきます。
■ イオントフォレーシス
水に微弱な電流を流し、汗が出る部位を浸すことで、発汗を抑えます。週に1回程度の通院が必要です。
■ ボトックス注射
ワキの下にボトックスを注射することで、交感神経から出る“汗を出す信号”をブロックします。治療後2〜3日で効果があらわれ始め、個人差はありますが、約4〜9カ月持続します。健康保険が適用される場合もあります。
■ 高周波
高周波で汗腺を破壊することで多汗を抑えるものがあります。水分の多い汗腺を標的として、汗腺付近にエネルギーを集中させることで、選択的に汗腺を破壊し、汗腺からから離れた組織への影響を最小限に抑えることができます。
■ 飲み薬
多汗症の治療薬として、抗コリン薬や漢方薬が承認されています。ワキ汗限定ではなく、体全体に効果を及ぼすことができます。
■ 手術
重度の多汗症で、ほかの治療方法で効果が見られないときは、発汗を指示する神経を切断する手術が検討されます。健康保険が適用される場合もあります。